スマイル矯正歯科BLOG

2022.08.20更新

歯磨きする女性


皆さんは歯茎のあたりに、白い膨らみがあるのを見つけたことはありませんか?基本的に痛みはないため、知らないうちにできていたという方もいるでしょう。また放っておくと、だんだん大きくなってきて怖い思いをした方もいるかもしれませんね。
歯茎に生じる、白いニキビのようなものを「サイナストラクト」といいます。治療でお口を拝見した際に、指摘されて初めて気付くこともあるくらい自覚症状がありません。
今回はサイナストラクトの正体や発生の原因、対処法について解説します。

 

 

1.サイナストラクトとは?
膿の排出口のことを「サイナストラクト」といいます。以前は「フィステル」と呼ばれており、日本語に言い換えると「瘻孔」です。
サイナストラクトは繰り返し膨らんだりつぶれたりするので、消失したと思っていたら再発していたというケースも少なくありません。口内炎の症状と間違える方がいらっしゃいますが、別物なので混同しないよう注意しましょう。
大きく異なるのが、発生の原因です。
口内炎ができる原因として、ストレスや体調不良、ビタミンB群の栄養不足などが挙げられます。また不衛生な口腔状態が続いたり、口の中の粘膜が傷つけられたりすることでできる場合もあるでしょう。
口内炎は強い痛みを伴うことが多いため、すぐに気付く方がほとんどです。重度の症状でない限りは、放っておけば一週間~10日ほどで自然に治るでしょう。その間は痛みとの闘いかもしれませんが、症状は徐々に緩和されます。

 


2.サイナストラクトができるのはなぜ?
続いては、サイナストラクトができる原因をいくつか紹介します。


2-1.死んだ神経(歯髄)が感染を起こした
むし歯が進行して神経に到達したり、歯を強打したりして神経が自然に死ぬと感染を起こしやすくなります。内部で細菌が繁殖した場合、歯根の先端に溜まった膿の排出口となるのがサイナストラクトなのです。


2-2.抜髄後の神経が再び感染を起こした
過去に根管治療をした歯の内部が、何らかの理由で再び細菌感染を起こした場合です。前項と同様、溜まった膿の排出口として生じるでしょう。


2-3.歯根の壁に穴が開いた
歯根の壁に、何らかの理由で穴が開いた場合も同様です。ほかにも根管治療をしたタイミングで、内部吸収(歯の壁が自然に溶けてしまうこと)が行われてフィステルの発生につながることもあります。


2-4.歯根破折が起こった場合
抜髄をした歯は、強度がグッと低下します。食事中など、日常生活のふとした瞬間に割れやすくなるのです。歯根の部分で割れる「歯根破折」が起こると、歯根の内部が感染して膿を溜めます。その結果、サイナストラクトが発生するでしょう。

 


3.サイナストラクトができたらどうする?
サイナストラクトは、自然治癒するものではありません。歯に原因があると考えられるので、根本的な原因を突き止めた上で歯科治療を受けましょう。気付いた時点で、早めにかかりつけ医へ相談することをおすすめします。
ここで主な治療法を、原因別に紹介します。


3-1.歯根の先端に溜まった膿が原因の場合
このケースでは根管治療を行い、細菌を取り除いて歯根の内部を清潔な環境にします。
ただし重度の症状の場合は、根管治療だけで完治しないことがあります。そのような場合は、外科的な治療も伴う場合があるでしょう。治療の具体的な内容は次の通りです。


歯根端切除術
歯茎を切り開き、膿が溜まった袋を切除して摘出する処置です。


歯牙再植術
骨の表面と歯根との距離が遠いケースに用いられるのが、歯牙再植術です。一度抜歯して歯根の先端と膿が入った袋を除去し、もとの位置へ戻すという処置です。
ただ、一度抜いた歯をそのままの状態で保存するには、歯科医師の豊富な経験と高度な技術が欠かせません。外科処置が必要となる前に、原因を突き止めて治療できるのが理想です。


ヘミセクション
サイナストラクトが複数できた場合に、悪化が見られる歯根のみを切除する処置です。
この状態になると、歯を数本抜歯してブリッジ治療をしなければなりません。機能性は自然歯に近いものの、ブラッシングのしにくさを感じたり、長期的に見て歯が長持ちしにくくなったりする難点を抱えます。
また歯根破折の場合は、抜歯で対応するケースがほとんどです。

 


まとめ
サイナストラクトは、お口の中で悪さをするものではありません。痛みがないことから、存在に気付かないまま生活している方もいるでしょう。
しかし放っておくと、知らない間に歯の内部で症状が進行します。重度の場合は抜歯が必要となり、ご自身の歯を残せなくなってしまうかもしれません。
気付いた時点で、早めに受診することをおすすめします。もし確信が持てなくても、プロに診てもらうことでほかの疾患やむし歯が見つかるかもしれません。

予防のためにも、歯科医院で定期検診を受けましょう。

投稿者: スマイル矯正歯科

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