なぜ矯正中の食いしばりがリスクに繋がるのか
矯正中の食いしばりによるリスクにはどの様な種類があるかご存知でしょうか。矯正治療では歯を前後や左右など色々な場所に移動させる場面が多々あります。しかし、食いしばりの癖があると垂直方向へ力が歯に対して加わってしまい上手く歯を移動出来なくなります。
矯正中に食いしばりで余計な力が加わってしまうと、歯や歯茎に大きな痛みが生じてしまうリスクもあります。矯正中は歯の根っこが歯を移動させる為に不安定である為、食いしばりの圧力で神経に影響が及び痛みに発展します。
食いしばりで歯が擦れたり割れたりする場合も
意識をしていない寝ている時などに食いしばりが発生し、大きな圧力を知らない間に歯に加えてしまっています。
この状態が続くと歯がすり減ったり歯が割れるなどのトラブルが起きる可能性があります。神経を失っている歯に関しては血管も一緒に取り除く必要があるため、歯の中に養分が届かない状態になります。
その状態の歯は外からの刺激が弱くなり欠けやすくなるので、食いしばりの圧力で割れてしまうリスクが高まります。そして、食いしばりにの圧力によってアゴや骨に刺激を加えてしまう恐れがあります。
食いしばりにより口周辺が筋肥大を起こす
口周辺の筋肉は歯を強く噛むことで筋肥大に繋がります。アゴなど筋肉が肥大するとエラが張っている様に見えることで、大きく顔が見える場合もあります。
肩こりや頭痛に悩んでいる方
歯を食いしばると肩や頭や首周りの筋肉が緊張します。筋肉が緊張した状態は頭痛や肩こりなどの筋肉への負荷に繋がるので、食いしばりが原因の可能性もあります。
食いしばりで歯周病が進行する
普段から食いしばりが無意識に発生していると、歯茎や歯肉に大きな負荷が発生して炎症が起きるリスクが高まります。歯茎と歯の間には隙間が発生し、細菌が繁殖し始めます。その細菌が歯の基礎を融解していき、歯周病の方の根元から状態を悪くさせます。歯がグラグラと動いたり、最悪の場合に歯が抜けてしまったりなどの歯周病が進行してしまいます。
知覚過敏が進行してしまう
歯茎が下がって歯が長く見えてしまったり、歯の表面に存在しているエナメル質が剥がれてしまうなど、食いしばりによって歯に刺激を与え続けると神経に達します。そのダメージが歯の痛みや染みるなどの知覚過敏の症状に悪化します。
食いしばりが起きる4つの原因
①歯列が不正であることが原因
歯列が悪いとそれを整えよう食いしばりをする可能性があります。その為、歯列が不正であると無意識の内に食いしばりの習慣がつきやすいです。ただし、食いしばりで歯列が必ずしも正しく並ぶのではなく、歪んだ方向へ圧力が加わってしまい歯並びが更に悪化するリスクが高まります。
②補綴物が合っていないことが原因
詰め物や被せ物などの補綴物を虫歯治療の際に装着した時に、大きさが適切ではなく噛み合わせが上手に出来ていないケースがあります。その際は、無意識の内に食いしばりで刺激を与えている可能性があります。
③肉体や精神の疲弊が原因
肉体的にストレスを感じていたり、精神的に疲弊を感じている際は食いしばりを起こす可能性があります。歯列矯正は痛みや違和感がストレスに繋がります。食いしばりをすることでストレスや痛みを軽減させる為に口が力んでいるからです。
歯並びが大きく不正しており、歯を大きく動かすケースでは歯に常に圧力がかかるためストレスに繋がります。
④摂取しているものが原因
日常生活で緊張する場面やストレスを感じる場面で食いしばりが起きる場合があります。その為、意識をして緊張状態を解すことが重要なポイントです。接種し過ぎたカフェインや飲酒や喫煙は、自律神経を安定させません。
身体は夜の休める時間帯に副交感神経が働くようになり、昼間は日中身体を動かすために交感神経が働くようになります。例えば、就寝前に飲酒やカフェインや喫煙を多量に摂ると、交感神経が働き緊張の状態が夜も続いてしまいます。それにより、睡眠のクオリティが下がってしまい食いしばりやすくなります。